2010年07月14日

11からはじまる数学―k‐パスカル三角形、k‐フィボナッチ数列、超黄金数

11からはじまる数学―k‐パスカル三角形、k‐フィボナッチ数列、超黄金数

出版社/著者からの内容紹介
◎ティーンズから始められるアマチュア数学研究

11を「くり上がりなし」で2乗、3乗、......としていくと、パスカルの3角形が現われる。では、111のn 乗は?
1111では、どうなる? 津山高等工業専門学校の数学クラブとして集まった4人の学生たちは、こうしてk-パスカル三角形とk-フィボナッチ数列についての研究をスタートさせた。JSEC2006他、2つの科学研究コンクールで優秀賞をとった「教科書には載っていない数学」をとおして、アマチュア数学研究の楽しさを追体験できる。


内容(「BOOK」データベースより)
「パスカル三角形は11のn乗の数が並んだものとみることができる。では、自分の好きな数のn乗を研究し、レポートせよ」。授業でのこの課題がもとになって、ひとりの高専生がパスカル三角形に類似した新しいタイプの数三角形を発見した。彼の発見は、さらに広がりをもつ研究の発端となり、それを研究するための「数学クラブ」が発足した。U‐18科学研究コンクール、JSEC2006の科学研究コンクールにおいて、優秀賞を獲得した、4人の学生による研究の道すじをたどりながら、「数のn乗」という単純な計算から生まれる、不思議な世界へ読者を招待し、アマチュアだから楽しめる数学研究の具対的なスタイルを提示する。


出版社からのコメント
数学のコンクールというと、まず多くの方が思い浮かべるのは「数学オリンピック」かと思います。「数学オリンピック」は数学の問題の解き方を競うコンクールですが、今回お送りした本に登場する4人の高専生たちは、数学以外の科目も含めた、2つの科学コンクール(日本科学教育学会主催のU18科学研究コンクール、朝日新聞社主催のJSEC2007)において、自分たちで発見した数学研究を発表し、見事にどちらの大会においても優秀賞を獲得しました。こうした全国からの科学全般のコンクールにおいて、若い彼らの純粋数学の地道な研究が認められたということは、とても意義のあることのように思いました。
普段の学校の授業でイメージされる「問題を解くだけの数学」以外にも、じつは身近に、おもしろく不思議な数学研究の世界があることを、この本を通して少しでも多くのかたに感じとってもらえたらとてもうれしく思います。
著者の前作『微分積分 基礎理論と展開』では、微分積分の理論の中の応用例として、 k-パスカル三角形やk-フィボナッチ数列をとりあげましたが、今回の「主役」はk-パスカル三角形やk-フィボナッチ数列、超黄金数であり、それらを研究していく過程のなかで、微分積分や線形代数、鳩ノ巣原理、初等整数論などのさまざまな数学的な道具立てが紹介されていきます。このことによって、また、数学の成り立ち方を違った視点から学ぶ楽しみもできてくることでしょう。


著者からのコメント
「はじめに」から、抜粋

「数学を研究するって,どういうことでしょうか?」
見方はいろいろあると思いますが,国際的な学力調査をみると,私個人は日本の数学のレベルは高いと思っています。そして,日頃から,日本人の多くの人たちが数学が好きなのではないかと感じています。しかし,本屋の数学書のコーナーに行くと,そこにはいつもアルキメデス,オイラー,フェルマーやガウスといった大数学者の発見した難しそうな内容ばかりがあって,それらはたしかに驚きやおもしろさもあるのですが,普通の素人はただ指をくわえて,その知識を頭を抱えながら一生懸命に享受しようとするだけとなっているような気がします。

「数学好きな読者が主体的に考え,自分だけのオリジナルな数学をみつけることはできないのでしょうか?」
「世の多くの若者達がギターやキーボードをもって作曲し音楽するように,数学して楽しむことはできないのでしょうか?」
「熟年者が陶芸や園芸をして, 自分だけの作品を作って楽しむように,数学の作品を作って楽しむことはできないのでしょうか?」

私は,「数学をする」ということは「数学を研究する」ことだと思っています。しかし研究とはなんでしょうか? 「数学の研究ってどういうことをするのですか」とか「数学ってもう全部わかっているのかと思っていました」とかいったことをよくいわれます。このような数学に対するイメージは,小学校の頃からずーっと重要科目と位置づけられて,テストのために日々計算や証明の練習問題に追われたことからきているのかもしれません。
与えられた問題を解くことはできるようになったけれど,数学する (研究する)となると,「どのようなことを考えればよいかわからない」ということです。これが,数学をしたいと思っている一般の人たちのジレンマだと思います。
しかし,開き直って所詮素人なんだから,自然に浮かんだ「お?」
と思うようなことを問題として,次々と思うままに考えていけばよいのではないでしょうか。そのうち人からなんといわれようと「これが自分の問題なんです」といった「自分だけの問題」がはっきりしてきて,充実した「数学する」日々を送れるようになれると思うのです。
どんな些細なことでもよいから,「自分の力で自分だけの問題を発見する」,これはとても楽しいことです。その瞬間にそれをどうしても解いてみたいという気になり,心がわくわくします。そして,問題にチャレンジするうちに次々と新たな問題が生まれてくることもあります。そのとき,それは最初に発見した問題がとても良い問題であったことも意味します。

この本では,津山高専の数学クラブとして集まった4 人の学生(井上昌樹くん,大西史花さん,山本裕子さん,アクチバヤル・アマルサナーくん)のパスカル三角形とフィボナッチ数列に関する2004 年から2006 年までの3 年間の,些細だけれども,でもそれなりに充実した研究成果を紹介します。パスカル三角形もフィボナッチ数列も歴史は古く,パスカル三角形は,17 世紀のフランスで,数学・物理学・哲学・宗教などの多方面で活躍したブレーズ・パスカルによって発見され,フィボナッチ数列は,12 世紀から13 世紀にかけてイタリアで活躍した数学者レオナルド・フィボナッチが発見したということで,この名前が使われています。
井上くんは高専1 年生のとき,パスカル三角形に類似した新しいタイプのパスカル三角形を発見しました。井上くんの発見は,私が授業中に提出した次の問題に対する彼なりの解答でした。

「パスカル三角形は11 のn 乗の数が並んだものとみることができる。自分の好きな数のn 乗を研究し,レポートせよ」

2 週間後,彼は満面の笑みを浮かべて私のところへ来て,自分が見つけた111 のn 乗に対応する数の三角形のしくみを説明しました。それは直感的にさらに広がりをもつおもしろい研究対象にみえ,魅力的な教育教材になり得るであろうと思いました。そこで,この三角形を「井上の三角形」(後で3-パスカル三角形に変更)と名付け,「井上の三角形」を研究するための数学クラブを作り,仲間を求めました。すぐに,同じクラスの大西さんと山本さんが集まってきました。しばらくして,当時20 歳でモンゴルからの留学生アマルサナーくんも参加しました。アマルサナーくんは国際数学オリンピックの銅メダリストで,数学的才能があり,私たちは強い味方
を得ることができました。  (以下、略)


著者について
松田 修(まつだ おさむ)
1963 年 宮崎県に生まれる.
1999 年 学習院大学大学院自然科学研究科博士後期課程終了.
専門は代数幾何学.
現在 津山工業高等専門学校准教授,理学博士.
著書 : 『微分積分 基礎理論と展開』(東京図書)

津山工業高等専門学校 数学クラブ
2004年 4人の学生によるパスカル三角形とフィボナッチ数列に関する研究からスタート
     する.
2006 年 U-18科学研究コンクール(日本科学教育学会主催)にて,「k-パスカル三角形と
     k-フィボナッチ数列の研究」が優秀賞を受賞.
     JSEC2006(朝日新聞社主催)にて「k-パスカル三角形の自己相似性の研究」が
     優秀賞を受賞.
2007 年 U-18科学研究コンクール(日本科学教育学会主催)にて,優秀賞・特別賞・
     奨励賞を受賞.


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
松田 修
1963年宮崎県に生まれる。1999年学習院大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了。専門は代数幾何学。現在、津山工業高等専門学校准教授、理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





posted by bookmaster at 12:35 | Comment(0) | フィボナッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。